ホテルガジェット

シュールな連泊

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当ホテルは、お客様の日頃の疲れを癒していただこうと「特別な趣向」をご用意いたしております。貴方しか知らない、貴方しか見れない、貴方だけの連想。一瞬の偶然と永遠の連想がおりなす、意味とイメージのメタモルフォーゼ。きっとご満足いただけると自負しております。もちろんそれは、お客様に想像力があることが前提となりますが・・・。

オートマチズムなビジュアル生成装置

ホテルガジェットはシュルレアリスムをテーマにした自動生成型映像です。作品が始まると、部屋には様々なキャラクターやオブジェが、ランダムにレイアウトされます。そのバリエーションは数千通り。そして部屋が表れると同時に、部屋のタイトルが表示されます。これも形容詞や名詞の組み合わせで生成されますので、数十万通りのバリエーションを持っています。
このレイアウトとタイトルの組み合わせは数億通り以上。大げさに言えば、同じシーンはもう二度と見ることは出来きません。もちろん、この組み合わせには作家の私自身の意図は混入していません。ただひたすらに乱数に従って、計算機が作り出したビジュアルなのです。しかし見慣れてくると、その意味不明であるはずの部屋から、意味と映像を瞬時に関連づけて、不可解な光景のストーリーを無意識に作り出してしまうのです。

シュルレアリスムへの眼差し

フランスの詩人アンドレ・ブルトンは1924年に、シュルレアリズム宣言を発表しました。これは無意識や夢、偶然などをテーマにした芸術運動で、詩人や画家を中心に様々な表現が試みられました。
その運動の中にルネ・マグリットという画家がいます。彼の絵のモチーフは大きなリンゴや鳩、パイプなど分かりやすいものばかりですが、非日常的な印象からか、どれも不安や違和感を感じさせるのです。そしてその不安をさらにかき立てるのが、絵につけられた謎のタイトル。絵からは想像もできないタイトルは、絵と意味のバランスを崩し、見るものに一種の謎解きを要求します。それは、描かれたものを純粋に見ることを、強く拒んでいるかのようです。