Unreal Engineは表現力が高いのが特徴ですが、その分、制作環境にも高いスペックが要求されます。また、プラットフォームとしてはMacWindowsの両方に対応していますが、使用感は大きく異なるのが現状です。それでは実際、Unreal EngineはMacで使用に耐えうるのか、私の体験談をもとにレポートしたいと思います。

MacBook Pro (Retina, 15-inch, Mid 2015)

まず最初に使ってみたのがこのMacBook Pro。ちょっと古いモデルなのですが、CPUは2.8 GHz Intel Core i7ですので、日頃の業務では全く支障がありません。AfterEffectsやCinema4Dなども問題なくキビキビと動作します。しかし、GPUがIntel Iris Pro 1536 MBというのがUnrealEngineには役不足のようで、少し負荷がかかるようなシーンではリアルタイムレンダリング速度が30fps以下に落ちます。

特に問題なのは、ブループリント作業中に頻繁にレインボーカーソルが出現することです。大体の場合はそのまま無反応になり、Unreal Engineを強制終了することになります。この繰り返しがとても辛いです。作業中もずっと高速にファンが回り続けるので、このマシンでは負荷が高すぎるようです。

CPU2.8 GHz Intel Core i7
CPUIntel Iris Pro Graphics
MEM16 GB 1600 MHz DDR3
HDD1TB SSD
Price¥297,800
iMac (Retina 5K, 27-inch, 2017)

次に、職場にあるiMacでも試してみました。CPUは3.4 GHz クアッドコアIntel Core i5、GPUはRadeon Pro 570 4GBです。前述のMac Book Proよりは快適に動作するので、これはいけるかも、と思ったのもつかの間、やはりレインボーカーソルが頻出します。何日か作業を続けてみましたが状況は変わらず。どうやらマシンのスペックというよりもソフトウェアの最適化の違いなのかもしれません。

CPU3.4GHzクアッドコアIntel Core i5
CPURadeon Pro 570 4 GB
MEM8 GB 2400 MHz DDR4
HDD1TB SSD
Price¥198,800

こちらのムービーでは最新のMacBook Pro 16インチでUnreal Engineのパフォーマンスを確認しているようです。さて結果は…。

二十年来のMacユーザーとしては、なんとかMacでUnreal Engineを使い続け、馴染みの環境で先端的な表現にチャレンジしたかったのですが、次の記事で紹介する安価なWindowsマシンの方がはるかに快適だったという事実に驚愕し、ついに断念することになりました。

しかし私が試したUnreal Engineのバージョンは4.21〜4.23。今後のバージョンアップでは状況が変化する可能性もあります。もっと高性能なMace-GPUを用いればまた違ったパフォーマンスが得られるかもしれません..。が、AppleはUnrealが推奨しているGPUメーカーのNvidiaとの関係が終焉したというニュースもありましたので、しばらくはこの状況が続くのではないかと予想しています。

まとめ

以上の体験から、使うことはできるが、かなり苦労する。という結果となりました。残念ですが私の狭い体験からの判断では、現時点ではUnreal EngineをMacで使うのはオススメしにくいという感想です。いずれ状況が改善することを祈りつつ、この記事を締めくくります。

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