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未来派図画工作のすすめ/自由ノート

記憶よ、どこへ行くのか?

最近、作品の素材撮影のためにデジカメを持ち歩いている。そうすると、今まで無視していたものが、別の価値を持って目に飛び込んでくる。気がついたらシャッターを押す。目が常に被写体を探している状態。なんだか学生のころに戻ったようで新鮮。

そんなことを何日か続けたら、ちょっとした疑問が湧く。 記憶はどこへ行くのだろう? この視界に入ってくる全ての情報を、人間は覚えているのだろうか?

もちろん何かイベントや心に残るような出来事があれば、そのシーンは心に焼き付く。でも、そうじゃないシーンは全部忘れてしまうのだろうか。それとも脳のどこかに蓄積されていて、いつの日か取り出せるのだろうか。

よく考えてみると、本当に感動した瞬間に、写真を撮ることを忘れている。

ようするに、本当に心が揺らいだ瞬間の周辺を、写真として残している。いまだに心に焼き付いている、あの表情、あの夕暮れ、あの出会い。

写真はとっていないのに、温度や匂いまで心から離れない。 たぶん僕らの心にもシャッターがある。それは流れて忘れていく記憶にくさびを打つ。そのくさびの打ち方が、その人の個性なのかもしれない。

そして表現者は作品をとおして、見るものの心にくさびを打つ。 一日に一度は心のシャッターを押したいなと思うし、自分も作品を通して、一人でも多くの人の心にくさびを打ちたいな。と思うのでした。

Photo by Alexander Kagan on Unsplash

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