未来派図画工作のすすめ/自由ノート

テート・モダン

街の中心部にとり残された、廃墟と化した火力発電所とそのまわりのゴーストタウン。この問題を解決するために、ロンドンが選んだ解決法は、「現代美術」であった。

2000年。テートモダンはロンドンの中心地にオープンした。

火力発電所を改築し、世界でも最高水準の現代美術展示を行う、巨大な美術館に生まれ変わったのだ。観光客でにぎわうセントポール大聖堂と火力発電所は一本の川で隔てられている。距離は近いものの、それまでその廃れた工業地域には誰も近づこうとしなかった。しかし、この美術館がオープンし、歩行者専用の小さな橋が一本架けられて、街は一変する。

イギリス中から、世界中から、人々が集まる。 破壊して再開発する事を選ばず、改築という方法を選んだ事。年代別の展示をやめて、テーマごとの展示をしている事。ほとんどが普段はあまり見る機会のない現代美術の展示である事。入場料が無料である事。

成功の要因は、新しい発想。 そしてもっとも素晴らしいのは、日本のように郊外に引き離すのでなく、人の集まるところに大規模な美術館を作ったこと。アートを生活の一部として、普通に展示している事。

 

Photo by Matthew Waring on Unsplash

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