未来派図画工作のすすめ/自由ノート

見えてくる
考えるのではなく、見えてくる 「物語の役割」小川洋子著

普段は文章を書かない私にとって、小説のような長い文章がどんな風に構築されていくのか、とても興味を持っていました。言葉という記号の固まりが、流れるような時間の変化や、空間の飛躍、感情の隆起を生み出す。本当に不思議なことです。

偶然手にした一冊の本、小川洋子さんの「物語の役割」には、そんな私の好奇心を満たしてくれる数々のヒントがちりばめられていました。その中で私をとても驚かせたのは、「考えて書くのではなく、見えてくる」という一文でした。

これは私がデザインをしている時に感じていることとそっくりだったからです。デザインは考えただけでは実現できません。調べに調べて、昼も夜もそのことを頭に置きっぱなしにしながら、メモやラフスケッチを書く。すると、ふとある時、すらすらと何かに導かれるように答えが浮かんできます。(もちろん、いつもそんなうまく行くとは限らず、七転八倒しながら絞り出すようにアイデアを具体化してくことも度々…)

しかも不思議なことに、すらすらと答えが浮かんでくるときは、悩まずに最後まで一気にアイデアが貫通していきます。あたかもその道筋は、もうすでに決まっていて、そこをなぞっていくかのような過程

これから私は、考えるのではなく、見えてくる。という気持ちでデザインや表現活動に望んでみようかなと思っています。そして「見えてくる」ために、経験と体験、観察と想像の日々を送るのです。(と自分に宣言!)

Photo by Jonathan Knepper on Unsplash

 

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