Random Pickup

WWDC

未来派図画工作のすすめ/自由ノート

無用の用

縁があって金沢を尋ねるのはこれで三度目になります。今回はeAT金沢というイベントに参加して、恐れ多くもセミナーのスピーカーを担当します。 また金沢21世紀美術館ではWOWのインスタレーション作品「工場と遊園地」も展示されますので、これを機会にぜひ金沢へお越しいただければと思います。

セミナーのタイトルは「無用の用。独創性で世界と向き合う」としました。誰の中にもある小さな好奇心を、しっかりと育てて、周りの人と共有できれば、自ずと独創性が生まれてくる。そしてそれは一握りの天才だけが生み出すものではなく、誰にでも生み出すことが出来る。私はそう信じてきました。

世の中には「一体何の役に立つんだろう?」「それにどんな意味があるのか?」というものが数多く存在します。しかし、そうした全てのものが、何らしかの形でつながり合っていて、相互に影響し、複雑に組み合わさって、世界が構築されている。一つの例ですが、アマゾンの森林は、大西洋を挟んで遥か遠く、サハラ砂漠のミネラル豊富な砂が風に乗って舞い落ちるから、あれほどまでに豊かなんだそうです。

効率優先主義からすれば、創造性には非効率で役に立たない側面があります。でも、創造的であることは時に予想もしなかったような成果をもたらし、作り手を世界へと羽ばたかせるのです。その飛躍は、いつも個人の思いからはじまり、揺るぎない独創性につながっていく。これは、この15年で私が感じたことです。

イタリアのデザイナー、ブルーノ・ムナーリは「ファンタジア」という言葉で、アップルの創業者スティーブ・ジョブズ「リベラル・アーツ」といった言葉で、そうした芸術的な創造性を指針に掲げました。このような創造性や個人の知的好奇心が、まるでサハラ砂漠の砂のように、社会に降り注ぎ、豊かな成功をつくりだすのだと思います。

今回のセミナーでは、仕事の中で創造性を活用するために実践していることをお話しできればと考えています。それは個人と会社の距離感を意識しながら、科学と芸術とデザイン、そしてビジネスを柔らかく関係させながら循環させていく事に他なりません。

Photo by Hisashi Oshite on Unsplash

前の投稿
雨音を聞いて明日を思う
次の投稿
極小の先の無限
メニュー