未来派図画工作のすすめ/自由ノート

ありがとう、さようなら

スティーブジョブズの訃報を聞いて心から落ち込んだ。 私はこれまで、Appleが作り出してきたものに強く惹かれてきたのだが、スティーブ・ジョブズ自身にはあまり強い関心を抱いてはいなかった。

だから彼が病と闘っていることは知っていても現実感がなかったし、いつか目の前から姿を消してしまうのかもしれないという、ぼんやりとした不安を感じていたぐらいであった。

しかし実際に彼が、私たちの前から姿を消してしまった事に、想像以上の大きなショックと喪失感を感じている。まさかここまで、というほどに。

彼はコンピューターの持っている可能性を誰よりも信じていたのではないかと思う。この素晴らしい発明が、人々の感情や創造性を刺激して、技術と芸術の新しい地平へ導いていくのではないかと考えていたのではないだろうか。

だからこそこの短期間に、これほどまでの革新的な製品を世に出す事が出来たのだろうと思う。 もちろんAppleのソフトウェア、ハードウェアは彼一人が作ったものではない。でも彼がいなければ生まれなかった。

一人の強い想いが世界を変える。何よりも重要なものは想いである。

これまでの、詩、文学、音楽、絵画、映画、という伝統的な表現に、もう一つ、あたらしい表現を加える。それが彼がつくった道の先にあるはずだ。私はそれを信じたい。そして多くの表現者が彼の想いを引き継いで、新しい表現の世界を構築する一人となればと思う。

 

Photo by Federica Galli on Unsplash

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