Random Pickup

未来派図画工作のすすめ/自由ノート

Emotional Design
ドナルド・A・ノーマン

誰のためのデザイン

日常のデザインが美しさ第一主義によって支配されているとしたら、 毎日の生活は目には楽しいかもしれないが、あまり快適ではなさそうだ。(中略) 「たぶん賞でもとっているでしょう」 というのはこの本ではけなすときの言葉として使われている。 それは、賞というものはデザインの一つの側面に対し与えられることが多く、使いやすさなどのその他の側面は無視されることが多いからである。「誰のためのデザイン」ドナルド・A・ノーマン

デザインは使う人のもの。まずは使いやすく、分かりやすいものでなければならない。時にデザインが悪いものが人を危険にさらすこともある。自己表現とデザインを同一視していた私には、衝撃的な内容でした。この本を読んでから、デザインというものに対する考えかたが広がりました。大げさにいうと人生を変えてしまった本なのです。 そんな彼が新たな考えかたを提唱しています。その内容はこれまで彼がふれていなかった点を、とくに美や情動について注意深く掘り下げたものになっています。

エモーショナルデザイン

多少使いづらいからって、それがどうだと言うのです。 ちょっと気をつければいいじゃないですか。そのポットはとても可愛くて、微笑んでしまうのです(中略) 驚くべきことに、美的に魅力的なものだと仕事がうまくできる、という証拠が得られているのである。これから示すように、人を心地よくさせる製品やシステムは使いやすいし、より調和のとれた結果を生み出す。「エモーショナルデザイン」ドナルド・A・ノーマン

同じ作者の本とは思えないほど、全く正反対の意見!

読み始めて私は混乱しました。それで一体、使いやすさと美しさはどっちが大切なのだろう。デザイナーはどちらに重心をおいて、ものを作らなければならないのだろうか。2冊を読んで感じたのは、使いやすさと美しさは相互関係にあるということです。使いやすさと美しさは、別のものではなく、一つのものではないか。

まずデザインの基本として、分かりやすさと使いやすさを実現しなければならない。しかし、使いやすい機能も、魅力的でなければ、誰も使おうとしない。素晴らしいデザインには、使いやすさと機能だけでなく、美しさや魅力的な見た目が必要である。魅力的にすると、使う人に正しい判断をうながし、使いやすさに最後の仕上げをすることができる。

美しさと機能を分離してはいけない。
外見と中身は分けて考えてはいけない。
それらは2つで1つ。

何か当たり前のことのようですが、遠回りをしてようやくすっきりと理解できるようになってきました。そしてこの2冊の本もセットにして考えるということなんでしょうね。10年越しに読んだ2冊の本が、今ひとつになる。何かちょっと感動的です。

前の投稿
無人島に生きる十六人
次の投稿
偶然を意図して作る
メニュー