未来派図画工作のすすめ/自由ノート

区切らない

宇宙船地球号 操縦マニュアル

バックミンスター・フラー
専門分化とは事実上、奴隷状態の少々おしゃれな変形にすぎない。バックミンスター・フラー

極度の専門分化は、大きな変化に対応できなくなる。専門的であるがゆえに、視野が狭くなり、変化の中で新しい道を見つけられなくなるからである。もちろん進化の為には専門化が必要であることには間違いない。 しかしバックミンスター・フラーは気づかせてくれる。区切りは絶対的なものでなく、信じている想像上の区切りである。と。

もともと知識や学問には区切りはなく、人種や民族にも区切りがないのだ。地球にかかれた国境も、たまたま人間が現時点で決めているルールにほかならない。 だから私達は、自分自身の尺度で物事を区切っても良いのである。漁師が経済のスペシャリストでも良いし、電気技師が彫刻家であっても構わないのだ。盲目的に境界を信じず、区切らない姿勢こそ、新しい価値観を作る可能性を秘めているように思う。

ふたつの論文が、会議のまったく異なる部門で発表された。ひとつは人類学で、もう一つは生物学。2人の科学者は、絶滅の共通原因を追っていたのだ。そしてこの研究者達が発見したそれぞれの原因というのが、実は同じものであることが判明した。どちらも絶滅は過度の専門分化の結果であると、結論を出していたのだ。バックミンスター・フラー「宇宙船地球号 操縦マニュアル」より
前の投稿
空を飛ぶ値段
次の投稿
ことばから心をみる

Latest

Random Pickup

メニュー