未来派図画工作のすすめ/自由ノート

二十世紀に旅立つきっかけ

二十世紀ボヤージという作品を作り始めたのは、今から17年前、2002年も終わろうとしていた頃だったと思います。Mac OS X 10.2が発表され、OSでのテキスト描画がとても美しいことに感動して、これなら言葉を主役とした映像作品が作れるのではないか?という妄想のもと、勢いに任せてOSXプログラミングに挑戦を始めたのでした。

もちろんそれは簡単なことではありませんでした。情報も少なかったですし、そもそもプログラミングの能力もほとんどありませんでしたので、開発は難航しました。おぼろげに思い出されるのは、出張の際に新幹線の中でObjetive-Cという難解なプログラミング言語と格闘していたこと。時速200キロで進む移動の最中に、過去への旅を模索していたのも変な感じです。

もう一つのきっかけは、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件です。あの事件の全容や真相は知る由もないのですが、当時、漠然と持っていた欧米への憧れや、無意識に構築されていた西洋文化中心の世界像が、あの崩れるビルの映像とともに、心の中で瓦解していったこと思い出します。

そのショックや心の動揺を抑えようと、私は歴史を調べ始めました。そして歴史の断片を収集する日々が続いていたのです。そして教科書に載っている年表とは異なる、政治や文化が入り混じる、自分なりの年表が作られていきました。それは、私にとって全く新しい、もう一つの世界像の誕生でした。

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